「愛着障害」とは?

発達障害

 はじめにお断りしておきますが、「愛着障害」は「発達障害」とは異なるものです。ですが、発達に課題があると思われる子供のことを考える上で知っておきたい障害なので、このブログでは紹介していきます。

 

 幼い頃に不適切な養育(虐待や育児放棄)を受けた子どもは、安心感や愛情が満たされないため、親子の愛着(アタッチメント)がうまく築けなくなることがあります。自己肯定感を持てず、幼児期以降に大人や友だちとの交流、こころのコントロールに問題を起こしてしまいます。これを愛着障害と言います。

 少々難しい表現になりますが、反応性アタッチメント障害と脱抑制型対人交流障害に分類されます。

 反応性アタッチメント障害は、うれしさや楽しさの表現が少なく、つらいときや甘えたいときも素直に甘えられず、人のやさしさに嫌がる態度を見せます。相手に無関心で用心深く、信頼しないなど人との交流や気持ちの反応の少なさがあり、一見すると発達障害の自閉スペクトラム障害(ASD)のような症状を示します。説明のつかないイライラや悲しみ、不安などこころのコントロールに問題もみられます。

 一方、脱抑制型対人交流障害は、初めての場所でも振り返らずに行ってしまう、初対面の見知らぬ大人にも警戒心なく近づき、過剰になれなれしい言葉や態度で接して、ためらいなくついて行くなどの行動がみられ、一見すると注意欠如・多動障害(AD/HD)のような症状を示します。大人の注意をひこうとしますが、同年代の子どもとは信頼関係や仲間関係を築くことが難しい状況です。

 

 つまり、「発達障害」の子供と「愛着障害」の子供は症状からは見分けがつきにくいということです。「発達障害」と診断されている子供の中には一定の割合で「愛着障害」の子供が含まれていると思われます。

 1例を挙げると、私が過去に学校で対応した子供の中には明らかにコンタミネーションしたと考えられるお子さんがいました。小学校1年生で教室に入れず、友達とうまく関われず、常に職員室にきて大人にかまってもらう、けど言うことを聞くわけではない、みたいな症状でした。ときには学校の壁を乗り越えてわざと車道に出るふりをしたりもしました。そのことをお母様にお伝えするのですが、話が噛み合わない。あくまで推測ですがお母様にもADHD的要素が見られました。とすると、この子は適切な時期に愛着形成はできていないだろうなと判断できました。おそらく発達と愛着の双方に課題を抱えているのは容易に想像ができました。

 

 「発達障害」が生まれつきの脳の機能障害であるのに対し、「愛着障害」は後天的な症状です。ですが、症状的に似ているため我々大人がその子供に対して取る手立てはどちらも変わりません。そのため、原因は異なっても「発達障害」と「愛着障害」を同じカテゴリーにして考えていこうと提案されている専門家の方もいらっしゃいます。

 今回のブログは、親御さんに向けてというよりは園や学校の関係者の方向けに発信しています。

 発達に課題が見られるお子さんをお持ちの親御さんがこのブログを読まれて、「えっ、うちの子愛着障害かもしれないの?」「私の子育てが原因なの?」と心配される必要はないです。お子さんに発達の課題が見られることで自責の念苦しんでしまうお母さんは大勢います。そこに更に育て方までと考えて自分を攻めるのは間違いです。

 どちらにしても「私のせいで」みたいな考えは捨てて、「これから」に目を向けるようにしていきましょう。

(このような「親の心構え」については改めて記事にしていく予定です。)

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