発達障害と併発しやすい障害

発達障害

 今日は、発達障害と併発しやすい障害について。

 発達障害が既にASD,ADHD,LDがクロスオーバーしているハンディキャップですので、そこにさらに「併発」というのも却って混乱を招きそうですが、比較的出現率の高いものを2つほど簡単に紹介します。

 1つ目は、OCD(強迫性障害、強迫症)です。OCDではわかっていても取り払えない考えや想像(強迫観念)によって生まれる不安にかきたてられ、強い不安を打ち消すための過度な行動(強迫行為)が止められなくなります。それが生活に支障をきたす状態になっているのをOCDと言います。

 例えば、汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯を繰り返したりドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて触れなかったりします。よく「綺麗好き」「潔癖症」と言われたりもしますが、これが過度の行動になり、本人も自覚しているのに止められなくて苦痛を感じているのがOCDの特徴と言えます。不安だけが顕著な不安障害や過度の行動を苦痛と感じない強迫性パーソナリティ障害など類似性のある障害がいくつもあるので、気になられる方はお調べになるとよいかと思います。

 OCDは思春期後半青年期にかけてから出現することが多いので、併発というよりも二次障害に近いかもしれません。また、発達障害の中ではASDと併発することが多いと言われています。ASDの方がOCDを併発するとOCDの治療が困難になりがちです。なぜかというと、OCDの強迫行動は当人が苦痛を感じていて、その苦痛を軽減するために認知行動療法等の精神療法が施されるのが一般的です。ところが、この行動がASDのこだわり行動と重なると、行動が表面的には苦痛ではなく心を満たす行動に変容してしまうからです。

 実際にこのような状態になってしまった場合には、専門性の高い医師と連携して親御さんはお子さんとの関わり方を探っていく必要があるかもしれません。

 

 もう一つはトゥレット障害(トゥレット症候群、トゥレット症)です。トゥレット障害は、まばたきをしたり首を振る運動性チックと奇声や咳払いなどの音声チックの両方が重なった状態が1年以上続く疾患で、日本では併発ではなく発達障害の一つとして捉える場合もあります。

 トゥレット障害はADHDと併発することが多く、若年期から症状が見られることが多いです。初期ではまばたきなどの単純運動チックだけが見られますが、やたらとものを触ったり蹴ったりする複雑運動チックが出現するようになり、更には「あっ」「ん〜」と声が出てしまう単純音声チック、オウム返しや奇声を発する複雑音声チックへと進行していきます。

 ADHDの場合、その衝動的行動が学校などの集団の中では理解してもらうことが難しいところに加え、トゥレットのチックが周囲に奇異に見られたり疎ましく思われたりしてしまうため、当人の困り感はより大きくなります。しかも、ADHDによる衝動的行動を抑えようと意識することがストレスとなってチックをより進行させてしまう場合もあります。まずは親御さんがお子さんの苦しみを理解してあげて不安を軽減させてあげること、医師や学校とも協力して集団の中での生活環境を整えてあげることが大切です。

 

 発達障害を抱えている場合、心に傷を追ったまま成長すると鬱や不安障害、双極性障害などの二次障害を引き起こしてしまうことは稀ではありませんから、OCDやトゥレット障害に限らずお子さんに適切な対応をしていきたいですね。

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