発達障害児への支援その1「自己肯定感への影響」

発達障害

 ここ数年ほど教育の世界で大きな問題になっているのが、日本の子供たちの「自己肯定感」が諸外国の子供たちと比べ著しく低いということです。自己肯定感というのは、簡単に言えば「自分は今のままでいい」「今の自分が好き」ということです。同様の語に自尊感情というものもあります。

 とにかく日本の子供たちは、潜在意識の中で実は自分に自信がなくて、自分で物事を決める力が弱くて、これからのグローバルな社会において自分の考えをアピールすることもできず競争に打ち勝つこともできない大人になっていくと言われています。この要因としては日本のこれまでの子育て感として「子供は親の言うことを聞いていればよい」「子供は親に帰属するもの」が根底にあるからです。基本的に日本の子供は怒られて育てられていて「認められる」よりも「ダメ出し」されて成長しているんですね。書店で子育てのコーナーを除くとよくわかりますが、最近は「褒めて伸ばす」とか「自己肯定感を高める子育て」といった類の本がたくさん並んでいます。

 ここからが本題ですが、発達障害を抱えている子供たちは、ただでさえ全体的に自己肯定感が低い日本においてより一層自己肯定感が低くなる要因を抱えています。これまでの記事でおわかりかと思いますが、発達障害の子供は周囲の子供たちと同調できずに行動をとってしまいますから、周りから注意を受けたり、非難されたり、行き過ぎれば虐めを受けたりします。日常的に自分を否定され続ければ嫌でも自分の存在を否定するようになり自己肯定感は極めて低くなってしまいます。しかも、なぜ自分が否定されるのか理解できない(周りと違う行動をしていることそのものの自覚が乏しい)ですから、何も手立てを打たなければ真綿で首を絞められるようにじわじわと心が傷つけられていきます。ちなみに、ADHD傾向の強い子で低学年のうちは自分の主張(癇癪や暴力的な行動)が通っている子でも年齢が上がると周りの子供達の社会性が成長しますので、立場は逆転していつかは虐げられる側に回ります。それまで怖くて言うことを聞いていた友達が、今度はわざと興奮させて癇癪を起こすのを面白がることすらあります。

 そうならないためには、まずは親御さんがお子さんの特性を認めてあげて「あなたはあなたのままでいいんだよ。そんなあなたのことが大好きだよ。」と受け止めてあげることが大切です。その上で、学校や公的機関と連携して支援を受けられるようにすることが重要です。単にサポートを受けるということではなく、周囲とのトラブルを回避するためのスキルを身に付けるソーシャルスキルトレーニングを受けることなどもその一つです。

 とにかく、発達に偏りのあるお子さんは環境的に自己肯定感が低くなりやすいですから、そうならないようにすることを最優先で考えてあげてください。そのための手法、テクニカルなことについては改めて紹介したいと思います。

 次回は、何の手立てもなく自己肯定感が低いまま成長していった場合に起こりうることについてお伝えします。

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