発達障害児への支援その2「不登校」

発達障害

 発達障害を抱える子供たちは、自分の周りの友だちとの間に大なり小なり違和感を感じながら生活をしています。年齢が小さいときには、その違和感が無意識下で心に蓄積していきますし、その違和感がきっかけで友達とトラブルも起こします。学校でトラブルが起きれば当然指導が入りますが理由が理解できないので「怒られた」という事実だけがその子の中に残っていきます。

 小学校高学年くらいからは「それが何なのかよくわからない」ながら違和感を自覚していくようになります。それは本人の成長による場合もありますが、周囲の社会性が高度になっていく過程で、定型発達していない子が集団から「浮いてくる」事が原因であると私は捉えています。そうなると、「よくわからない違和感」は不快感、苦痛に代わっていきます。時には「無視」されるといったいじめを受けることもあったり、ひどい場合にはわざと興奮させて癇癪を起こすのを見て楽しむような悪質ないじめに遭ったりする場合もあります。

 いじめの有無自体は大きな課題ですが、今日のテーマである「不登校」に関して言えばいじめよりも「集団の中にいることを苦痛に感じる」事が重要です。年齢を重ねて互いに成長していくことで、却って自分の属するコミュニティとのギャップが大きくなってしまうわけです。あまり苦痛を感じさせない、あるいは苦痛なく過ごせるようにするには、できるだけ早い段階からソーシャルスキルトレーニングを受けるなどの支援が不可欠です。発達障害であることを受容されず支援を受けていなければ「苦痛をひたすら感じる場所」に足が向くはずがありません。どこかの段階で「不登校」や「引きこもり」といった集団不適応行動として現れてしまいます。

 しかも中学校に進学する場合、場所、先生、授業のやり方といった環境が全て違うものに変わる「中1ギャップ」がありますので、集団不適応になりやすい発達障害の子供にとって中学生になることは「不登校」のきっかけになる要素が更に増えるということになります。次のグラフは文部科学省「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」における学年別不登校児童生徒数のグラフです。

平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果より転載https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/10/25/1412082-30.pdf 

中1から急激に不登校が増加しているのがわかります。不登校のうち50%以上が発達障害を抱えている子供だと言っている研究者もいます。私も経験的に同様の感触を持っていますので、お子さんが発達障害である可能性があるご家庭ではこのようなリスクも有ることを知っておいたほうが良いと思います。(個人的には不登校でも将来自立できるすべがあれば問題ないと思っていますが。)

 

 余談ですが、この「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」というのは毎年全国のすべての学校を対象に行われている調査で、私も副校長時代には毎年回答を集約していましたが、この不登校の調査項目については少し疑問を感じていました。不登校児童生徒の状況についても回答をするのですが、学校で認知していることを的確に答えられる選択肢がないんですね。「発達障害に伴う集団不適応」というような分類があるともう少し調査が有効なものになるかなと思っています。(参考までに「不登校の要因」のクロス集計表も転載しておきます)

 

平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果より転載https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/10/25/1412082-30.pdf 

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